NaCIO3

夜の波をこえてゆくよ

『君の名前で僕を呼んで』の感想

君の名前で僕を呼んで

(※知らぬ間にネタバレの恐れがあるのでこれから観る予定の人は気を付けて…)

 

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ほんの3日前?くらいに「あ、観なきゃ」と思って劇場調べて観に行ってしまった。

 

タイトルの時点で50億点、内容も50億点でした。

 

なんだかもう、色々な恋愛の形があると思うので、普段の場面で同性愛とかをいちいち問題に挙げるの意味ないなと思っちゃうな。。。
というかそんなこと言わせる隙を与えないくらい作品の全部が美しい映像だった。
足を重ねるシーン、初めて身体を重ねた夜にカメラが窓の外を写していくシーンがとても好きでした。

 

別れのシーンがあんまりにもいきなりだった。「夏の終わりが君をさらっていくやつじゃん…」ってあとから気付いたくらいには唐突。

 

後ろから2番目の席で観ていたけれど、斜め後ろの人が鼻をすすっているのが良かった。

 

なんて思っていたら、別れの後、エリオの父親の言葉が心に響いて私まで鼻をすする始末。

ちゃんとは覚えていないけれど、「感情を無かったことにするのは、あまりに惜しい」といったような台詞が良すぎた。(うろ覚えて最悪だな)
本当に最高な言葉だらけだったのでDVD出たらメモをしたいくらい……

 

 

私は他の人より色々と考えてしまうタイプだと自覚しているけれど、それってしんどいな〜〜〜と思ってて 最近は嫌なことがあっても「あ、違う違う」とか「悲しいとかではない(笑)」とか思って感情に嘘をつくことで悲しみを打ち消したり、
嬉しいことがあっても「嬉しいけどこの出来事、嘘では?」「嬉しい〜〜けど〜〜たぶん〜〜違う〜〜〜(笑)」って自分を誤魔化して幸せになりすぎないようにしているんだけど、

これって残念すぎるなって気付かされたね……。

 

 

あと、"エリオの父親の台詞が良い"に付随した感想なのですが、「エリオの両親の理解」が良すぎた。
知っていたけれど、そっとしていたんだ。っていう。
個人的な意見だけど、こういう系の恋愛映画で第三者が介入してくるのが苦手で、「いやいや2人だけの世界みたいな良さ、あんじゃん……」と思ってしまうのだけれどそこを本当に大切に描いてくれたのが良かったし、その分余計切なくなったな……。


ここで、「同性に恋するのはやめなさーい!」みたいな人が登場してきたら50億点の話が60点になっていた… だから、2人だけの世界系の話が好きな人は本当に観てほしい。

三者の反対を押し切って結ばれるとかより自分の感情をどうにかしなきゃいけないことが1番辛くて難しいと思うので………。

 


本当にちょっとしたあらすじだけを読んで観に行ったので、見終わったあとは「うぉーーーーーーーー!!」と叫びながら映画館を走って出ちゃいたくなるような映画なのかなと思ってたけど、
全然そんなんじゃなかったな。
あ、でも嫌な気持ちになるとかでは全然ない。

こんなに悲しいエンドロールがあるか??と思ったし、ラストに家族に呼ばれた名前がこの話の全てだったように思えた。


見て欲しいなと思った人の顔が浮かんだし、当てはめたくなる曲がいっぱいあるなー。

 

英語が笑えないレベルで"ほんとうに"苦手なので、海外の作品(洋画とか洋楽とか)って全然触れてきてなくて、最後に見た外国作品てソーセージパーティなんですけど(そんなことある?)
結局映画『レオン』とかめちゃくちゃ好きだし、良い作品は良いんだなーと思い知らされました。
カタカナの名前覚えられないし登場人物の見分けがつかないから、という理由で遠ざけるのやめないとね、、、

 

 

というか原題『Call Me By Your Name』って、良過ぎでは。